宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち

MENU
NAVIGATION

CLOSE

SPECIAL

イベントレポート●第七章「新星篇」<最終章>最終上映日舞台挨拶レポート

photo

2019年3月28日、新宿ピカデリーにて『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第七章「新星篇」最終上映日舞台挨拶がおこなわれた。2年以上に渡り劇場上映がおこなわれた全七章シリーズの最終章、その最終上映日に合わせ、監督の羽原信義さん、シリーズ構成の福井晴敏さんが登壇。作品を支えてくれたファンに感謝の言葉を生で伝えたいというスタッフの気持ちで急遽決定したイベントだ。

トークは、いつもならペアルックともいえる衣装で登壇する2人が、この日は「ここぞという時にはスーツで」と思っていた羽原監督に、いつも通りにハッピしか持ってきていなかった福井さんが「それなら事前に言ってくれれば…」とツッコミを入れるところからスタート。いつも以上にフランクな雰囲気で話は進み、観客とのハイタッチをおこなった第六章での地方行脚、天候が悪化し会場に辿り着けなかった2018年2月のさぬき映画祭など、毎章、様々な土地を回った舞台挨拶の話題が披露された。そんな中、驚きの事実が明かされた。じつは羽原監督は、第七章の最速先行シークレット上映会の朝(2019年2月18日)に自転車で転倒し肋骨が3本折れていたというのだ。「可哀想」「監督は地方出張NG」と言われるのが嫌で、現場スタッフの一部にしか伝えていなかったらしく、これには福井さんもビックリ。

トーク後半には、今作が初タッグとなった2人それぞれの仕事ぶりについて触れ、羽原監督は福井さんの脚本を「今まで触れてきたシナリオとは違う書き方で、読んでいると小説みたいに思えてきました。情報量の多さが魅力になっているので、それを時間内にいかに収めるかが課題でした」と振り返った。一方、羽原監督について福井さんは「何が助かるかというと、まずこの人はスーパーアニメーターなんです。実写の感覚でいうと役者。だから土壇場の作画でこれは違う、ここをもう一押しという時に自分で出来ちゃう。だから作品にブレがないんです。これは本当に助かりました」と、その特徴を語ってくれた。

イベントの終盤、ひとつのサプライズが。プライベートで上映を観に来ていた古代進役の小野大輔さんが2階席から声だけで飛び入り参加し、会場を沸かせた。
 それを受けて福井さんは「(プライベートでも)参加してくれるチーム感があり、千秋楽で我々が出るだけの回で満席のお客さんが来てくれる。この状態がまさに総括です」と語った。羽原監督は「『復活篇』をジーベックで作るかもしれないという話から始まり、『復活篇 ディレクターズカット』『2199』『2202』と、10年以上『ヤマト』に関わらせていただきました。改めて感じたのは、スタッフ、キャスト、劇場の方、みんなで作った『ヤマト』なんだなという感覚です。そして、ファンの皆さんからいただいたいろんな気持ちを、何とかフィルムに出来たのではないかと思っています」とまとめた。

そして最後の挨拶では、「最後のお別れがなぜ辛いかというと、良い想い出がいっぱいあったから。まさにキーマンの最後のセリフを今は噛み締めています。『この悲しみを俺は愛する』」と福井さん。羽原監督からは「もう感謝しかありません。(シリーズが長丁場になるので)みんな最後まで元気で観ようねとお伝えしたのが最初の舞台挨拶でした。残念ながら途中で旅立ってしまったクルーもいますが、今日もここで一緒に観てくれていると思っています。最後に個人的なお願いなんですけど、福井さん握手してもらっていいですか?」といきなりのアプローチ。よくよく振り返ると、ずっと一緒に作ってきたのに握手したことはなかったそうで、全七章となるシリーズのラストは、2人の初めての握手で締めくくることになった。

photo

Special TOP