2月2日(金)大阪・なんばパークスシネマにて『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』シリーズ初となる、新宿以外のでヤマトークが開催された。ヤマトークは、作品の上映後にスタッフが登壇して長時間行うトークショー。今回は、現在絶賛上映中の第四章「天命篇」を三田後で、監督の羽原信義さんとシリーズ構成の福井晴敏さんの話が聞けると、多くのファンが集まった。
トークは3つのブロックに別れており、1つめは第四章に関するトーク、2つめはこれまで新宿で行なっていたヤマトークの簡単な紹介。そして3つめは、事前にツイッターで募集していた質問に応えるコーナーだ。ここでは、その3つめのコーナーで紹介された質問と答えを全て紹介する。(下記の質問には、2つの別の質問を1つにまとめたものもあります)
〈Q:1〉『2202』でヤマトが発進した日付に設定がありますか? 雪の日の決起というのが非常に様式美だったので気になりました。
羽原●第二話で、みんなが英雄の丘に集まってくるのは沖田艦長の命日(12月8日)ですが…。発進の日付は決めていましたっけ?
福井●年の瀬で。クリスマスよりも後かな? 2202と言っているわりには2203じゃんという(笑)。
〈Q:2〉波動砲を使わないというイスカンダルとの約束が結果的に反故になってしまったことについて、なぜイスカンダルからなにも言ってこないのでしょうか?
福井●イスカンダルから何かを言ってくるということがそもそもないんだと思います。それに、アレはあくまで「誠意を見せてください」というもので契約ではないわけです。例えば「コスモリバース返して」と言われてももう使い切ってしまっているわけだし、「じゃあ、あの星滅してやろうか」ともならない。また、イスカンダルは過去に大きな過ちを犯した星なので、他所には干渉しないということじゃないでしょうか。
〈Q:3〉波動掘削弾が登場した場面には感動でチョー燃えました。「こんな事もあろうかと開発しておいて助かった!」そんな真田さん節が聞こえてきそう。今後新たな新兵器も登場しますよね? カートリッジも開発済みですよね?
福井●それはこの先の話ですが…。開発しますね。わりと結果オーライな凄い兵器を。次の第五章でお目見えすることになると思います。
〈Q:4〉ヤマトのような大型艦とコスモタイガーⅡの長距離ブースターでは、ワープの可能距離に違いはあるのですか?
福井●当然、違いはあります。どれくらい違いがあるかはわかりませんが、長距離ブースターで飛べるのはヤマトの小ワープくらいじゃないでしょうか。
羽原●あとは、回数制限。2回しかできないとか。
〈Q:5〉空間騎兵隊の機動甲冑の個体番号で永倉さんが2番、倉田さんが3番だったので、隊長の斎藤さんは当然1番だろうと思ってたら8番でした。これはどういう経緯で付いている番号なのでしょうか?
羽原●これはテレザート上陸作戦の前に亡くなっている隊員が居て、その隊員の機体に乗っています。「お前の魂と一緒に戦う」というつもりで戦っています。
福井●ほ〜お。なるほど。初耳(笑)。
羽原●だから山本玲は1番に乗っています。
福井●ちなみに、なぜ玲が乗っているのかですが。機動甲冑は完全に自分の肉体の動きをトレースして戦うので、身体能力が高い人間が向いているわけです。つまり、戦闘機のパイロットがそのまま成れるわけではないんです。そこで思い出してもらいたいのが『2199』の時…。実は玲は格闘技の達人じゃないですか(メルダ・ディッツとの格闘など)。斉藤たちへ自分から名乗り出たのかスカウトされたのか分かりませんが、それで乗ることになったわけです。
〈Q:6〉土方さんは妻帯者ですか?
福井●設定していたわけではないんですが、俺は死別しているんじゃないかと思います。
━━ では、山南はどうでしょう?
羽原●山南は意外と結婚はしていないと思います。
福井●モテるんだけど、山南の方から…。なんだろう、女性に対する注文が五月蝿いタイプなんじゃないかな。
羽原●部屋とか超綺麗そうですよね。
福井●美学がありそうです。
山南艦長の脱帽シーンが出てこないので気になってるのですが、前髪はどんな髪型なっているのでしょうか…。オールバックですか?
羽原●これは設定書に書かれていないので、ないんです。こんど結城(信輝)さんに聞いておきます。
福井●意外と寂しいことになっていたり…。
羽原●どうですかね。あのモミアゲですから。
〈Q:8〉太田健二郎クンは大阪出身の設定ですが、やはり食にウルサイところが所以なのでしょうか? どうせなら、もっと関西人らしいキャラ付けした方が面白かったと思うのですが。
羽原●『2202』でいきなり関西弁を喋り出したらおかしいでしょ(笑)。
福井●関西人らしいというのは関西弁で喋る以外でなにをしたら…。
羽原●何かリクエストがあれば受付ますよ?(会場へ向けて)
来場者A●ツッコミとか。
羽原●どちらかというとボケの方じゃないですか?
来場者B●食事シーンを入れてください。
羽原●めちゃめちゃ枚数がかかるんですよね(笑)。
来場者C●自分の部屋に太陽の塔のミニチュアがある。
羽原●福井●ああ〜〜。それだ!(笑)。
来場者D●ソースにこだわる。
羽原●でもね、広島人もこだわるんですよ。
〈Q:9〉桂木透子女史へのスパイ尋問のシーン。透子さんが素性を白状したところで相原くんが残念そうに顔を歪めてたのって『ヤマト3』のオマージュで、透子さんに惚れていたんでしょうか?
羽原●良く見ていますね(笑)。相原は女性に大してすぐに興味を示すけどガックリくるというパターンですね。
福井●それでいうと、その回答といえるのが…この後のコーナーで待っています。(「第四章」Amazon限定版特典のドラマCDのこと)
〈Q:10〉女性ヤマトクルーのジャケットをテカらせたのは何故ですか? ──まずは誰がやったんですか?
羽原●はい僕です(笑)。
福井●何故ですか?
羽原●『2199』と同じではディティールが足りなかったんです。それにコスプレイヤーの人から「素材はなんですか?」と聞かれても「なんでしょうね」と答えられなくて。それで今回は決めることにして、作画的に密度が上がる方法としてハイライトを入れることしました。
━━ 素材としては、何が近いのでしょう?
羽原●エナメルっぽい感じですかね。
福井●いやらしくしようとしたわけではないんですね。
羽原●そんなことはまったくないです。
キーマンが仕込んだ反波動格子の出番がなかなかないけど、やっぱりあれは在地球ガミラス駐在武官として、波動砲がガミラス人に向けられた時の為の保険なんですかね?
福井●言うわけないじゃない(笑)。
〈Q:12〉デスラー総統は彗星での3年間をどう過ごしておられたのか、少しでも知りたいです。小説やアニメでは具体的な描写はありませんでしたが、第十話(第3巻初回版特典)のシナリオに「解凍した」という気になる言葉がありました。冷凍保存されていたのでしょうか?
福井●そういう体でいましたね。…いたんですけど、ちょっと違うかなということになって。
羽原●アニメ本篇の台詞で言ってしまうと想像するじゃないですか、冷凍されていて…。
福井●カチンコチンになったデスラーが、
羽原●チーン!とかいって出てくる。
福井●チーンはいわないと思うけど(笑)。
羽原●そういうのは違うなと思って。だから、3年間の間はどういう感じだったのかというのは、想像していただけたらと。
福井●そうだ、ここは皆川さんに外伝小説を。
羽原●あ、そうですね。あとで僕、アイデアを出しますので。
〈Q:13〉宇宙ホタルって自然発生したものなのか、敵さんが仕向けたものなのか気になります。
福井●これは言ってもいいですね。自然発生したものです。自然発生したものだけど、古代アケーリアス文明となんらかの関係が…みたいな感じです。
〈Q:14〉声優さん登壇回は無理だとは思いますが、羽原監督と福井さんの登壇時に観客のフォトセッションを設けてもらえないでしょうか?
福井●したいんですか?
会場●(拍手)
羽原●みなさんが、よろしければ。
福井●劇場のオペレーション的に大丈夫なら。──(確認しつつ)では最後に、お時間が残るようでしたらやりましょう。
以上、皆様、沢山のツイート誠に有難うございました。次回もご協力よろしくお願いいたします。