イスカンダルから〈コスモリバースシステム〉を持ち帰ったヤマト。システムの起動で地球環境はガミラス侵攻以前の姿を取り戻した。
大役を終えたヤマトは記念艦として海底ドックに安置されていたが、地球連邦政府の新政策[波動砲艦隊構想]により戦列復帰が決定、苦渋の決断により真田たちの手で波動砲の再装備を含めた大改装作業が進められた。艦内工場の新設、装甲の強化や対空火器の増設などで、よりたくましい姿となって新たな旅立ちを待っていた。
地球連邦航宙艦隊の総旗艦として新たに建造された波動機関搭載艦。最大の特徴は艦首に装備された二連装の波動砲で、一条での集中射撃のほかに、波動エネルギーを分散して多数の目標を同時射撃できる拡散放射が可能だった。艦の運用は自動化の促進により省力化され、搭乗員もヤマトに比べて大幅に削減された。一番艦〈アンドロメダ〉のほかに、姉妹艦として二番艦〈AAA-2アルデバラン〉、四番艦〈AAA-4アキレス〉が建造された。
■アンドロメダ級について
新鋭艦アンドロメダ級は一番艦〈アンドロメダ〉以外に姉妹艦が四隻建造された。二、四番艦は戦艦型、三、五番艦は空母型である。各艦名は下記のとおり。二番艦〈アルデバラン〉、三番艦〈アポロノーム〉、四番艦〈アキレス〉、五番艦〈アンタレス〉。
新鋭艦アンドロメダ級姉妹艦4隻のうち、2隻は空母型として建造された(三番、五番艦)。ヤマトにおける航空隊運用の実績から[波動砲艦隊構想]では航宙母艦新造が盛り込まれたのである。艦載機の格納庫および発着区画は艦橋後方に増設されており、艦上機(コスモタイガーIIまたはコスモファルコンを最大で180機搭載)はリニアカタパルトにより、左右24ヶ所の発艦口から一斉発艦が可能。
再編された地球連邦艦隊の主力戦艦である。金剛型宇宙戦艦の基本設計を踏襲し、波動コアを含む新型エンジンを搭載、超空間航行が可能となった。主砲は大幅に出力を増強した36センチ三連装陽電子衝撃砲を4基搭載、新型空間魚雷を装備。艦首に固定装備された陽電子衝撃砲は口径が拡大され威力も増大した。第二護衛艦隊・第47番艦〈ゆうなぎ〉の艦長は古代進。
かつての村雨型宇宙巡洋艦に新型エンジンが搭載され、他の艦と同様に波動防壁による艦体防御が可能となった。
世界各国の宇宙軍に配備され、艦名の例として〈SARATOGA〉、〈DEFIANT〉など英語表記のものも含まれる。
磯風型突撃宇宙駆逐艦を元に新型エンジンに換装、より敏捷な操艦が可能となった駆逐艦。主砲は出力を増強した12.7センチ連装陽電子衝撃砲塔を2基搭載。空間魚雷も新式とされた。
次期主力艦載戦術戦闘攻撃機として競合試作された機体の一つ。
多岐にわたる兵装を可能な限り搭載できるよう複葉式となり機体が大型化、また過激な操縦特性のため艦上機としての運用が難しく不採用となった。
しかし月面基地における試験運用が決定し、山本玲の愛機として新人育成に活躍している。
[波動砲艦隊構想]に基づく新たな地球連邦艦隊が運用する新型艦上戦闘攻撃機。
高機動ユニットの通常装備でコスモファルコンより攻撃力、格闘性能が格段に向上した。本機は当初より派生型の展開が考慮されており、複座仕様の攻撃特化型、背部に動力銃塔を増設した雷撃型三座(または複座)、電子戦機などが開発予定であった。
空間騎兵隊の斉藤始が考案した小型の人型機動兵器で、航空機よりシンプルな機構はヤマト艦内工場での短期生産ができた。
武装は両腕に内蔵されたカノン砲、両肩に装備したパルスレーザー砲で、航空機の兵装を装備可能なハードポイントを各部に有する。
背部の大出力スラスターで飛行し、両脚部先端の履帯走行ユニットにより地上を高速移動が可能。
ヤマトが持ち帰ったコスモリバースシステムの副産物として生まれた時間断層は、外界の時間が10倍で進む反重力特異点。だが地球連邦政府はその異空間を極秘軍需工場として活用し、波動砲搭載艦の大増産に踏み切った。しかし管理人員を常駐させることが不可能なため、新型波動機関搭載艦であるドレッドノート級戦艦が断層内工場の制御機として転用された。ワープ加速に際する経過速度と地球時間の経過を合わせるために搭載している次元エナーシャルキャンセラーを常に使用し、断層内部での生命維持を可能にしている。艦橋は通常型よりも拡張されている。また艦橋窓は塞がれており、外部情報は映像表示される。
[波動砲艦隊構想]における波動砲搭載の軽装甲巡洋艦の巡視仕様である。速力に優れ、艦隊行動を離れた長期の独立ミッションが可能となっている。艦橋上部と艦底にレーダーシステムを装備、青色回転灯やホログラムによる信号旗表示が特徴。
砲熕兵器は小型の陽電子砲塔と魚雷発射管、ならびに艦首に装備した小型波動砲である。
[波動砲艦隊構想]の一翼をになうために建造された小型艦(フリゲート)で高機動性能に優れている。本来、波動砲艦隊はDクラス戦艦で構成する計画であったが、艦隊の拡充に伴い建造が簡易で量産生の高い小型波動砲艦として開発された。砲熕兵器は小型の陽電子砲塔と魚雷発射管、ならびに艦首に装備した小型波動砲である。
ガトランティスの太陽系への侵攻による土星沖海戦が初陣となったが、高重力下の宙域ではその高機動性が仇となり苦戦を強いられた。
次世代航宙艦艇開発の研究を行なうために、ヤマトの波動システムを含む本体をコピーした同型艦。
地球帰還後にその役目を終えたコスモリバースシステムをヤマトより移設し、その能力の研究と利用に特化した。銀河の初代艦長は藤堂早紀。
火星宙域の応急ドックにて、破損した艦体の修理と「銀河」から主砲塔の移設、さらに砲熕兵器の改良を含む緊急改装を行ったヤマトは、最後の戦いに向けて発進する。
また「銀河」に装備されていた対空火器、近接防御火器類も全てヤマト側に移設。
さらにワープ直後でも波動防壁を部分展開できるようになり、対空火器の使用が可能となった。これら、砲熕兵器の新システムはすでに「銀河」の艦内において実証済み。
その他の大きな変更点は、司令塔頂部のコスモレーダーを大型の高次元微細レーダーへと換装、第一格納庫には艦載機発射用カタパルトが「銀河」より移設され計4基となった。
時間断層工場にて緊急修理並びに大規模な改装を施したアンドロメダ一番艦。土星沖海戦でガトランティスの反物質ミサイル攻撃を受け、艦首の波動砲口および波動エンジンを損傷。ワープ不可能となり、2隻のドレッドノート級戦艦を重力アンカーにより両舷に接続、トランスワープを行なって地球へ帰還した。
全損した艦首の連装波動砲は、ドレッドノート級と同じく波動砲口内にスプリッターを増設した四連装拡散波動砲へと強化。もはや有人操艦も難しい自律操艦能力を持つ高機動戦闘システムの試作型として生まれ変わったが、兵器としての無人運用の危険性を回避すべく、山南艦長の意見を反映して1名の乗員が規定された。山南が坐乗するアンドロメダ改を旗艦とした無人アンドロメダ艦隊YF-2203が新たに編制。火星宙域の絶対防衛圏の戦闘に投入された。
高機動戦闘を行なうため、乗員は強化宇宙服を必要とする。
想像を超えるガトランティスの軍事力に直面した地球連邦は、同級戦艦の大量生産に踏み切った。
砲熕兵器はアンドロメダ級と同様だが、艦載機は廃止。また高機動ノズルが艦体各所に増設され、魚雷艇なみの激しい挙動が可能となった。
艦体色は黒色に統一。
火星宙域にまで到達した都市帝国に対し、山南が坐乗するアンドロメダ改を旗艦とした無人アンドロメダ艦隊YF-2203が都市帝国直上へとワープする際の各艦ワープブースターとなる。
「波動実験艦 銀河」に搭載された無人戦闘機。ガトランティスとの総力戦に備えるべく、人的要員確保のため零式52型空間艦上戦闘機〈コスモゼロ〉をベースに、ガミラスの月面防御用ドローンの自律機動システムを導入、無人化した機体である。
機体色は黒だが、後述する作戦[ブラックバード]に特例として投入された有人先導機仕様の機首は、識別のため青く塗装された。
【作戦[ブラックバード]】
無人艦載機により量産型波動コアを敵艦隊内部に放出、銀河の[CRS]により増幅・暴走させ、波動共鳴により敵艦隊を行動不能とするもの。
敵陣深く侵入し放出するには有人の先導機が必要とされたが、元ヤマト航空隊隊長・加藤三郎が先導機パイロットに志願、作戦は決行された。
ガミラスの駐在武官、クラウス・キーマン中尉の専用機。白銀の機体にガミラス様式の紋様が施されているのが特徴的。
通常の兵装以外に、特殊爆雷(電磁パルスを発生させるEMP魚雷)を搭載した。テレザート星へ向かうヤマトと合流、行動を共にすることとなった。
対ヤマト戦の最終局面で轟沈するデウスーラII世から緊急脱出したコアシップを元に、ガトランティスで建造されたデスラー専用艦。デスラー砲のほかに物質転送システムである[瞬間物質移送機]を装備、また艦底に装備した電磁式パイロンでゴーランド巨大ミサイルを多数懸吊することができる。
さらに、いかなる空間からも影響を受けない安定した波動制御機関を有しているなど、既存の航宙艦艇のカテゴライズを超えた、もはやデスラーの分身とも言える存在である。
地球艦隊との共同戦線を張るガミラスは、敵勢力の想定外の規模に対応するべく時間断層工場にて航宙艦艇の増産を行なっていたが、大型空母に関しては既存のガイペロン級多層式空母ではなく地球側の新造艦、アンドロメダ級空母をライセンス生産することで艦隊を増強した。アンドロメダ級空母の基本構造に変更はなかったが、航空管制用電子装備や操艦システムなどはガミラス様式のものに換装された。
先行して4隻が建造され空母打撃群が編成、その指揮官にはかつてガトランティスとの激戦を経験したフォムト・バーガーが着任。座乗艦は〈ノイ・バルグレイ〉。
以下の3隻は〈ノイ・ランベア〉〈ノイ・シュデルグ〉〈ノイ・ダロルド〉とされ、別名[バーガー戦闘団]と呼ばれた。艦載機は艦上戦闘機デバッケ、雷撃機ドルシーラ、そして波動掘削弾を爆装した重爆撃機ガルントII。上部飛行甲板は波動防壁により保護され、艦載機を繋留したままワープが可能。
強力なエネルギー火線を空間転送し、相手の射程外からアウトレンジ砲撃が可能な〈火焔直撃砲〉を装備した重戦闘艦。
かつてヤマトがイスカンダルからの帰還時に同型艦一隻と遭遇したが、量産化され各艦隊に大量配備されている。
ガトランティス機動部隊の主力空母。艦体上部中央の窪んだ部分が飛行甲板で、その両側が艦載機格納区画である。
格納区画上下面に主砲、副砲、対空砲、また前部両舷にはミサイル発射管を装備し、高い攻撃力を有している。
重武装ながら足の速い、ガトランティス航宙艦隊の中核をなす巡洋艦。
主砲、対空砲を含む多数の速射輪胴砲塔のほかに、艦橋基部両舷に計10基のミサイル発射管を装備している。
高い機動性により敵艦に肉薄攻撃する駆逐艦。
ガトランティス艦艇特有の速射輪胴砲塔は1発ごとの命中精度の向上よりも、多量の破砕エネルギーを「ばらまく」ことにより、敵に対し出来る限り手傷を負わせることを主眼にしている。
全長520メートルに達する大型戦闘艦。設計思想は他艦艇と異なり、その運用方法も独特である。
戦艦クラスとして十分な砲熕兵器を搭載しているが、本艦独自の特殊砲撃システム〈雷撃旋回砲〉を装備しているのが特徴だった。
多数の小型の雷撃ビットでリングを形成してビームエネルギーを増幅、射撃を行なうものである。
さらに複数の同型艦から大量の雷撃ビットを供給、威力を増大させることもできた。
ガトランティスの名将の一人、ゴーランドが率いる艦隊を編成する大型ミサイル艦。
艦首に装備した二発の超巨大ミサイルは敵艦隊の殲滅や惑星攻略の際に使用される。また艦首二連の発射装置は作戦目的に応じて他の弾頭や揚陸コンテナ等に換装できた。艦首および艦橋部のミサイルなどは前線における再装填は不可能だが、固定式および旋回砲塔式のミサイルの一部は再装填による連続射撃が可能だった。
ガトランティスの主力攻撃機。
機体上面には回転式ビーム機関銃塔(速射輪胴銃塔)を装備する。機体前部には8丁の機関銃を固定装備。
乗員は3名、機体下面には6発の空対空ミサイル、または対艦用大型ミサイルを懸吊できる。
ガミラスの科学奴隷から得た機械化兵の技術をコピーして造られた自律式小型兵器。飛行形態から半人型の地上戦闘形態に変形、両椀部に装備したニードルガンにより対人・対物攻撃を行なう。短剣状の飛行形態時には航空機の爆弾架に装着して輸送されるほか、魚雷発射管からの射出も可能。機体下部の着脱式装甲板の裏面は、敵の陽電子エネルギーを跳弾可能なビーム反応装甲になっている。
ガイゼンガン兵器群の一種。波動防壁に対抗するべく開発された大型の戦闘機。敵艦のシールドを中和し突破、艦体に突き刺さる。その後、回転砲塔を乱射し自爆する特攻兵器。
土星沖海戦時にはバルゼーの甲板に搭載され、地球連邦のエンケラドゥス守備艦隊に肉迫攻撃を敢行した。
ガイゼンガン兵器群の一種で、全長1200mを超える航宙艦。艦種としては大型航宙母艦であるが、もはやその規模は移動橋頭堡とも呼べるものであり、ガトランティスの地球侵攻に合わせて新造された。上下対称形の艦体は飛行甲板と格納庫であり、約600機のデスバテーターを搭載可能である。土星沖海戦時にはバルゼー司令長官が座乗し、甲板上に巨大戦闘機イーターIを80機搭載した。上下甲板を回転させ、遠心力によりこの搭載機を展開した。
砲熕兵器は艦体上下面に集中配置され、主砲や対空砲のほか、ドラム式のビーム発射機(爆雷投射モードにも転換可能)を装備。また艦首には、前方の障害物を破砕し航路を啓開するための大型ビーム砲を備えている。