▲左より:西﨑彰司、宮川彬良、中村繪里子、福井晴敏(敬称略)
2020年2月3日(月)、新宿ピカデリーにて、「宇宙戦艦ヤマト2202」コンサート2019 Blu-rayの発売を記念してフィルムコンサートが開催された。昨年10月に開催したコンサートを収録したBlu-rayが3月27日(金)に発売となることに合わせ、その本編を一足先に劇場のスクリーンと音響環境で楽しんでもらおうというイベントだ。
上映後には、音楽を担当した宮川彬良と司会を務めた中村繪里子(桐生美影役)が登場し、トークイベントも実施。コンサートのために、宮川が自身でアレンジした楽曲について語った。
まずは、司会である中村がフルート演奏で参加した「美しき音楽の大海を渡る」と、別の楽曲のシンガーとして舞台に立っていた山寺宏一(アベルト・デスラー役)がスキャットで参加した「大いなる愛」について。どちらも宮川たっての提案で、声優とミュージシャンのコラボレーションが実現した楽曲だ。中村は、宮川からコンサートでフルートの演奏に挑戦してほしいと頼まれた時を振り返り、「自分で出来ないと決めないで、彬良さんに委ねようと思いました」と語った。
オーケストラ編成で演奏されることの多い「ヤマト音楽」。だが、昨年のコンサートでは趣向を替えて、ほとんどの楽曲を10人以下の“少数精鋭”のミュージシャンによって披露した。オリジナル楽曲のイメージを残しながら、ここまで楽器の数を減らしたアレンジを、いかに実現したのか。宮川はバレエ音楽の仕事をした経験を語った。「たとえばバレエって、オーケストラがないと…と思われがちですが、稽古場ではピアノ1台で練習を重ねるんです。私はそこで、ダンサーの呼吸に合わせて演奏することの大切さを知り、演奏者を4人に絞ったオリジナルバレエの公演も経験しました。その経験があったから、今回も無理じゃないと思ったんです。『ピアノだけではなく(バイオリン、チェロ、コントラバスと)他に3人もいるじゃないか』ってね」
さらに宮川は、オリジナル楽曲とはガラリと印象を変えたアレンジも披露していたが、この話は時間の都合で泣く泣くカットに…。3月に発売されるBlu-rayのオーディオコメンタリー等の特典に、さらに詳しい解説があるので是非そちらで楽しんでほしい。
また、3月20日(金)に公開予定のウェブ特別番組「アキラさんの愛の宣伝会議〜コンサート2019篇〜」でも、この部分について宮川と中村のトークをたっぷり収録している。
話題は変わり、年末年始にTwitterで募集したアンケート「『宇宙戦艦ヤマト2202』で好きな劇伴は?」の結果が発表された。
投票数の多かった1位から5位までの7曲を見つめ、宮川は「今後作ろうと考えているヤマト交響組曲の参考にさせてもらいます」とコメント。今後の楽しみが増えた瞬間だった。
トーク後半には、『宇宙戦艦ヤマト2202』製作総指揮の西﨑彰司が登壇。宮川の構成力の素晴らしさを称えて「アレンジ、ミュージシャンのピックアップ、全てお願いして。時間も含め無茶な状況の中、受けて下さり大変感謝しています。そして、宮川さんのアドリブの効いたみんなを楽しませるトーク。2時間ならトークだけでも成立するのではないか思いました」とジョーク混じりでコンサートを振り返った。また、「みなさんと演奏者の垣根を低くしたい。音楽を通じて、同じ思いを感じていただきたい。古代はひとりではなく、雪がいて、多くの仲間がいて困難に立ち向かっていき、悲しみも喜びも分かち合います。そういう一体感を、宮川さんの指揮の下、みなさんに伝えられたらいいなと思って企画をしました」とコンサートのコンセプトについて語った。
また、続けて登壇したシリーズ構成の福井晴敏からは、現在制作進行中の2本の『ヤマト』に関する新情報が次のように発表された。
(1)2020年に劇場上映予定の『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』総集篇の正式タイトルは『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』に決定!ドキュメンタリータッチの構成で、語り手は真田志郎になるとのこと。
(2)同じく2020年に劇場上映予定の新作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』の最新設定を加えた速報映像(約20秒)を上映!こちらは、2月21日に開催される「愛のフィルムコンサート」名古屋・大阪会場でも上映されるので楽しみにしてほしい。
最後の挨拶では、宮川から「『新たなる旅立ち』に向けて、腹は決まっています。一緒に楽しみましょう」とメッセージがあり、イベントは拍手に包まれ終了した。